名作列伝
川崎郷土・市民劇

枡形城 落日の舞い


日時・場所:2011年5月6〜8日 川崎市多摩市民館/2011年5月20〜21日 川崎市教育文化会館

 時は鎌倉時代の始め。源平の争いに勝利した源頼朝は鎌倉に史上初の武家政権・幕府を開き、新たな国づくりに着手した。そのような中、源平の争いで活躍した稲毛三郎重成、そして従兄弟の畠山重忠は頼朝にその働きが認められて頼朝の妻である北条政子の二人の妹をそれぞれ妻として与えられることとなった。

 二人のうち重成に嫁いだのは綾子。しかし、綾子は実は重忠に密かに思いを寄せていたのだった。自由恋愛の認められないこの時代。本心を押し殺して言われるがままに重成に嫁いだ綾子だったが、嫁いだ後は重成に寄り添い、領民からも慕われる存在となっていった。しかし幸せな時間は長くは続かず、綾子は病に倒れそのまま息を引き取ってしまう。悲しみに暮れた重成は出家を決意。仏門に入り綾子の魂を弔う日々を送る。

 ところが、頼朝の急死によって状況は一変してしまう。この機に乗じて一気に権力を掌握した幕府の実力者にして北条政子の父・北条時政は有力な武将に次々と謀反の疑いをかけて討ち滅ぼしにかかったのだ。そのような中でついに重成も時政に目を付けられてしまう。
 時政の手段は狡猾だった。綾子がかつては重忠に思いを寄せていたことを利用して、盟友である重成と重忠を離反させ、その上でそれぞれを討とうというのだ。
 重成の館から盗み出した綾子の形見の扇を重成に見せ、これを重忠が持っていたと囁く時政。疑念に駆られた重成は、ついに重忠討伐の書状に署名をしてしまう。

 ついに動き出した幕府の重忠討伐軍。しかし、重忠を討った幕府軍はそのまま重成の居城である枡形城へ進軍を開始した。策略に嵌められて妻を疑い、友を売ったことに気づいた重成。もはや残された道は…戦うのみ。多勢に無勢。勝ち目のない戦いとわかっていながら出陣する重成。その姿は、まさに落日の最期の輝きであった…。

撮影 小池汪

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